C言語でechoサーバーをつくる

echoサーバーとは、「クライアントが送ってきた文字列をそのまま返す」サーバーのことです
特に驚くこともない、面白みのないプログラムのように思えますが、この単純なプログラムにはシステムプログラミングやネットワークプログラミングに必要なエレメントが詰まっています（と、思います）

おおまかな流れとしては

1. ソケット（クライアントからの接続を受け付ける窓口のようなもの）をつくる
2. ソケットを初期化する
3. クライアントが繋いでくるのを待ち、接続を確立する
4. クライアントから送られてきた文字列データを読み取る
5. 読み取ったデータと全く同じものをクライアントの標準出力へ書き込む
6. 接続を終了する

といったかんじです

それでは、実際にソースコードを見てみましょう

解答例：echo_server.c

#include <sys/types.h>  

#include <sys/socket.h>

#include <sys/uio.h>  

#include <netinet/in.h>

#include <string.h> 

#include <stdio.h> 

#include <unistd.h> 

int

main()

{

int sockfd, acceptfd; 

int len; 

char buf[1024];

struct sockaddr_in server, client; 

/* ソケットを作る */

sockfd = socket(PF_INET, SOCK_STREAM, 0);

/* ソケットを初期化する */

memset(&server, 0, sizeof(server)); 

server.sin_family = PF_INET; 

server.sin_port   = htons(7000); 

server.sin_addr.s_addr = htonl(INADDR_ANY); 

bind(sockfd, (struct sockaddr *)&server, sizeof(struct sockaddr_in));

/* クライアントからの接続を待つ */

listen(sockfd, 5);

/* クライアントとの接続を確立する*/

memset(&client, 0, sizeof(client)); 

len = sizeof(client); 

acceptfd = accept(sockfd, (struct sockaddr*)&client, &len);

/* データを読み込む */

read (acceptfd, buf, sizeof(buf));

printf("accept data: %s\n", buf); 

/* データを書き込む */

write (acceptfd, buf, strlen(buf));

/* 接続を閉じる */

close(acceptfd); 

close(sockfd); 

return (0); 

}

ちなみに、インクルードファイルそれぞれが何のために必要かを示すと……

<sys/types.h>  → socket(), listen(), accept(), read(), write()

<sys/socket.h> → socket(), listen(), accept(), read(), write()

<sys/uio.h>, <unistd.h>   → read(), write()

<netinet/in.h> → struct sockaddr_in 

<string.h> → memset()

上記のようになります


動作を確認するには、上のソースコードをコンパイルして生成された実行ファイルを起動した後、同じマシン上で

telnet localhost 7000

と打ち込み、telnetを起動すれば、echoサーバーとの接続が確立されます